夢も希望もない=死。

自殺願望なんて、無かった。


はじめに の経歴欄にあるように、中学生時分受験ノイローゼで考えたことはあったけれど(父親の煙草を全部食べて服毒自殺しようかと)。そのくらい。

ずっと平凡な人生歩いてきて。それなりに楽しいこと悲しいこと経験して。そしてある日立ち止まって、くるり後ろを振り返った。


其処には何も無かった。


やりたいことが、夢があった。

文章で食ってくこと。

トトロの(主人公の)お父さんみたいに田舎に住んで、執筆をする。

樹や水に抱かれて、星空を見ながら煙草をすう。

結婚して子供が出来たら、一緒にいっぱい遊ぶ。海へ。山へ。


涙が出るくらい幸せな、残酷すぎる夢。


叶うワケがない。

だってあたしには何も無いのだから。


文筆家に取って、何も無いというのは致命的。文だけじゃない、創作者ならみんなそう。

何も無くした人生を送ったのはあたし自身。そして時間は取り戻せない。

気がつくと、周りは皆走り去るように邁進して行き、あたしは独り取り残された。

真暗闇の中の親友も、手探りしながら出口を探している。

あたしは、真白な空間に、身動きも出来ず突っ立っていた。


《とりあえず何処でも良いから就職しなければ》

焦ったあたしは職安へ行き、無難そうな会社へ面接に行った。

結果は惨敗。

こんなクソ会社にも必要とされない、あたし。

何も無い、あたし。



希望があれば良かったのかもしれない。


夢が潰えても、希望が遺されていれば。まだ歩けたかもしれない。

1点の爪の先程の出口を、目を凝らし、進もうとした。

希望はまだ在ると信じてた。

何処かに、突破口が在ると。

でもその真白な空間の出口は、いつまで経っても辿り着けなかった。

あたしは這いずり回ったけど、片足を固定されていたんだ。臆病と怠惰という名の杭に。

1歩も進めていなかった。

そして、疲れてしまった。


もう希望を見たくない。

夢はとっくに潰れてぺしゃんこになった。


疲れ切った者に残されたのは、死を選択する行為だけ。


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