声を殺して=父親

父親は『社長』というポジションについている人間だ。

今にも潰れそうな会社だけど、お給料なんて想像つかないであろう薄給だけど。

でも、その事実は、「人間性を認められた人間」であることを示している。


遠い地に赴任している父は月に一度程、短くて3日。長くて一週間。この家に帰ってくる。

その間、あたしは発狂しそうになる。


3日くらいならまだいい…我慢できる。

でも今、帰ってきて7日が経った。そしてまだ、居る。


朝6時から響いてくる甲高いテレビの音。

嫌がらせとしか思えないガタガタ鳴る雑音。

ばかみたいな笑い声。


父親の『存在』すべてがあたしを発狂させそうになる。


病気じゃない頃は、勿論平気だったよ?

「家族の為に」「単身赴任までして」「頑張って働いている父親」を、尊敬したりもしていたよ?



父親の魂胆は判っている。

「あたしの病気を良くさせるために工夫しているつもり」。

母親と同じ。

根本的な事を理解しようとせず、マニュアルに沿うだけ。


苦笑する。

じゃああたしはどうして欲しいんだって言われたら、

「目の前から消えろ」

としか言えないから。


あたしはもう狂っちゃってるんだ。

この数ヶ月の間に少し色々あったのだけど、その所為で頭がどっかいっちゃったんだ。


好きだった文章を書く事も覚束なくなってきていて…

もうこんなテキストしか書けない。脈絡なし、支離滅裂。



夜23時。父親が眠る。

あたしはやっと泣ける。声を殺して。


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